MASAHIROMARUYAMA|コレクション紹介
2011年のブランド立ち上げ以降「unfinished art(未完成のアート作品)」というコンセプトのもとに、1stコレクションの「dessin(デッサン)」から最新の「twist(ツイスト)」まで様々なアプローチを見せてきた同ブランド。
ここではそのコレクションごとの特徴や魅力をご紹介致します。
【dessin】| デッサン
紙に鉛筆で書いた緩やかな線をそのままプロダクトに落とし込んだセルフレーム
ブランドを象徴する記念すべき最初のコレクションは、手書きのラフスケッチをそのままプロダクトに落とし込むことで生まれる未完成な造形が特徴のセルフレームです。形のベースとなるのはスクエア、ラウンド、ウェリントン、ボストンといったベーシックなものですが、どこかモードな佇まいで他ブランドのクラシックな“太セル”フレームとは全く違う存在感を漂わせています。温もりのあるいびつなラインが顔によく馴染み、身につける人の内なる創造力を表現してくれます。
2023年冬、過去取り扱ったテーマを拡張する形で新たに発表されたのは”dessin”。今までの”dessin”では発表されてこなかったメタルフレームを新たにローンチ。ラフスケッチのラインをより感じられるようリムに若干幅を持たせ、ブリッジとの繋ぎ目など通常抑揚のある部分を極端に減らし、フラットに仕上げることで二次元の空間から創り出された意匠を加えています。
本コレクションらしい手書きのラインが堪能できるセルフレームも健在。その表面処理において、完成したフレームの側面をあえて削り、エッジのあるモードさを増したデザインに。
【collage】| コラージュ
異素材を自由な発想で組み合わせたブランド初のコンビフレーム
2ndコレクションの“コラージュ”では、プラスチックとメタルという異なる素材を、これまでの常識から離れ自由に組み合わせることで“デッサン”には見られなかった新たな視覚効果をもたらしています。フロントパーツは左側のみメタルの枠が設けられており、左右で構造自体がまるで違う作りになっています。この為フロント右側のみにカシメ鋲が用いられており、前作よりもアシンメトリーが強調されたコレクションに仕上がっています。
【cut】| カット
ハサミで紙をカットするように。欠如した未完成の造形が心地いい違和感を与えてくれる
紙をハサミで切るようなイメージをアイウェアに落とし込んだデザインが特徴。インナーセルの一部が欠如していたりリムとレンズの間に隙間があったりと、未完成な造形が魅力のコレクションです。これまでのコレクションに比べフレーム全体のボリュームが抑えられており、日常使いにもおすすめできるフレームです。
【2side】| ツーサイド
表裏、上下、左右。通常とは違う箇所に配置されたパーツが新たなデザインとして生まれ変わった
本来裏にあるものを表に置くなど、常識を取り除き再構成することでこれまでにないデザインに仕上げています。今作よりラインナップされたフルメタルのフレームは、ミニマルながらもよりこだわりが詰まっています。またそれぞれの形にはフルメタルバージョンとインナーセルバージョンがラインナップされ、それによって全く異なる雰囲気を楽しめるのがこの“ツーサイド”の魅力です。
【straight】| ストレート
無機質な直線を複雑に組み合わせることで、どこか温かみのある有機的なデザインに昇華させている
一切の丸みを無くし、直線のみで構成されたデザインが特徴のコレクション。これまでのコレクションとは打って変わってプロダクト自体は無機質な印象なのですが、かけてみるとどこか温かみがあるのある雰囲気が醸されるのが不思議です。今作でも“ツーサイド”同様それぞれの形にフルメタルバージョンとインナーセルバージョンがラインナップされており、その時の気分に答えてくれる豊富なバリエーションが揃っています。
【broken】| ブロークン
一度完成したものを壊し、再構築することで生まれた新しい美しさ
ガラスが割れたときに不規則に飛び散る破片。一度完成したものを再構築するというプロセスをデザインに取り入れることで、新しい印象を生み出したコレクション。これまでよりさらに大胆に配置されたパーツはデザイナーの高い独創性を表現しており、まるで芸術作品のような雰囲気を纏っていますが、いざかけてみるとその人の表情に意外なほど融和します。2016年、この“ブロークン”が、“SILMO d’Or Awards”(毎年パリで開催され「眼鏡のアカデミー賞」とも称される)の眼鏡フレーム部門でノミネートされ、同ブランドは世界で一躍注目を集めることになります。
2023年には”broken”を拡張する形で新作が登場。これまで展開してきた様々なコレクションを経ることによって培われたエッセンスが落とし込まれ、テーマである”broken”をより深めたアイウェアに。
【erase】| イレース
消しゴムでラインを消す その跡にまた別の線が足されることで本来とは異なる完成形が現れる
消しゴムで鉛筆の線を消すイメージで元あるパーツの配置を大胆に“消し”、その後に改めて引かれた脈略のない一本の直線が本来とは異なる完成形に導いています。奇抜なデザインながら、剛性が高く水平が保たれたフレームからは、デザイナーの緻密な計算と職人の繊細な仕事ぶりが伺えます。これまでのコレクションで最もエキセントリックなフレームシェイプは日常使いというより、気分を高揚させたい時のとっておきとして身につけていただきたいです。
2024SSコレクション。数々のテーマを経て、アイウェア表現の可能性を押し広げてきたブランドが過去展開された「erase」をより追求。存在感とアシンメトリーのデザインを強調する大胆なフレームラインによって、モードな印象のアイウェアとなっています。足された一本の線は以前より抑揚が増し、唯一無二のデザインを強めたプロダクトに。
【twist】| ツイスト
“ねじる”ことで硬い金属をしなやかに表現
計算通り、寸分の狂いもなくねじられたフロントが、素朴なメタルフレームにモードの雰囲気をもたらしている“ツイスト”。前作とは打って変わって、限りなく削ぎ落とされたミニマルでスタンダードなデザインは日常使いしやすく、サイズも小ぶりに設計されているので女性にもおすすめです。またこれまで使用されなかったポップなカラーバリエーションは、クラシックの次のフェイズを見据える眼鏡界のいまの時代感にとてもよくマッチします。
【doodle】| ドゥードゥル
まるで落書きのように線が顔に走り書きされたかのようなデザイン
直接誰かの顔に描かれたようなそのデザインは【doodle (いたずら書き)】 から着想し、その自由で謎めいたフレームを日常を想定した、かけ易い形に落とし込む技術力、デザイン力の高さはMASAHIROMARUYAMAらしく、独創性を存分に発揮したコレクションです。重なった線の交差も色差や空白を設けることで奥行きを増し、より立体的なアイウェアへと昇華しています。また、MM0044は着脱可能なパーツを用いることでその眼鏡のシルエットを大きく変え、気分を上げてくれるアートピースのように変化する等、今までにない魅力的なコレクションとなっています。
【monocle】| モノクル
気品ある片眼鏡と現代のデザイン、時代の異なる眼鏡の融合
19世紀、装飾品としても使用された片眼鏡【モノクル】を空白と異なるパーツの配置により現代のアイウェアへと昇華した本作。どのモデルもメタル素材の造形から色使い、アセテート素材との組み合わせ、その絶妙なバランスによって見事に片眼鏡の持つクラシックさ、知識階級の知性と装飾性といった雰囲気を的確に捉えたプロダクトに仕上がっています。今までのコレクションの中でもディテールの複雑さを感じさせない馴染み易いフレームが多く、MASAHIROMARUYAMAをナチュラルに取り入れたい方や初めて手に取る方にもおすすめのコレクションです。
2020年、この“MM0052 – 1”が、“SILMO d’Or Awards”(毎年パリで開催され「眼鏡のアカデミー賞」とも称される)の眼鏡フレーム部門にてグランプリを受賞し、世界で再び注目を集めることになります。
【sculpt】|スカルプト
制作過程の中にある荒々しい美しさ
ブランドの設立10周年を迎える今回のテーマは”sculpt (スカルプト) = 彫刻”。制作過程の中にある荒々しい美しさ、質感が立体的に表現されており、【MASAHIROMARUYAMA】らしさはそのままに、より質感やディテールの表現を追求することによってブランドの「進化」と「深化」を感じられるコレクションに仕上がっています。
切削された意匠等、テーマである”sculpt (スカルプト) = 彫刻”を存分に感じられる、立体感のあるデザイン。ブランドらしさの感じられる左右の非対称のバランスは、ディテールによってより印象的に。
左眼部の空白と4点で止めたディテールが眼を引くモデル。クラシックな玉型ながら細部に渡るディテールはよりアシンメトリーを感じられるマサヒロマルヤマらしいプロダクトに仕上がっています。本コレクションのメタルフレームで表現されている質感は機械加工の難しいチタンを使用している為、日本の職人の手によって一度完成させたフレームをヤスリで削る工程を経て、奥行きの感じられる質感が表現されています。ブロンズブラックは黒の中でも質感に抑揚を感じられるカラー。
【kintsugi】|金継ぎ
伝統技法金継ぎとその心を表現
400年以上前から受け継がれてきたとされる日本の伝統技法、「金継ぎ」の割れた陶磁器を美しく生まれ変わらせ、その新たな魅力を帯びた様をアイウェアというプロダクトで表現した本コレクション。「金継ぎ」はわび・さびの精神の表れでもあることから、モノ自体が 纏う見た目の美しさに加え、美しさ を見出す“心”も表現したという本コレクション。クラシックやモダンといったアイウェアで用いられる表現とはまた異なり、カテゴライズされない独自の魅力を放つアイウェアとなっています。
セルフレームのモデルは金継ぎによって修復された際の陶磁器に浮かび上がる不規則なラインをアセテートのフレームに溝を掘り七宝を埋める形で表現されています。存在感のあるフレームの中に異なる色調の線が引かれることでアクセントが生まれ、モードな佇まいが特徴的。今作の中でも一際存在感を放つ、「MM-0078」は世界最大のアイウェアの展示会、フランスのSILMOにてアイウェア業界の今最も名誉ある賞とも言える「シルモドール」、2022年度グランプリを受賞したモデル。
チタン製のメタルフレームは左右非対称な造形とカラーリング、ハンドドローイングされたフレームライン、再構築したパーツの組み立てなど、今までのマサヒロマルヤマのエッセンスを随所に散りばめつつ、金継ぎのニュアンスを宿しています。
【step】|ステップ
立体的な積み重なり
積み木のように自由に置かれた一つ一つのパーツ。それがメガネの新たな構造となり、素材や色の異なる組み合わせは複雑な色彩やだまし絵のような錯覚を生み出します。2024AWコレクションでは、これまで様々なコンセプトを通して表現してきた異なるパーツの組み合わせによるアプローチをより深化させ、大胆にプロダクトへと落とし込まれたシリーズを発表。また、テクスチャーにおいても新たな表現を用い、独自の世界観や質感をより追求した挑戦的なコレクションとなりました。
アセテートモデルは様々なカラーがありながらもマットブラックやグレーなど、シックなカラーリングに艶のあるステップのパーツを組み合わせたディテールが印象的。落ち着いたカラーは顔馴染みよく、カラフルなカラーはスタイリングの主役やアクセントとして、バリエーションに富んだ本コレクション。アイウェア以外のプロダクトデザインも想起させられるような独創的なデザインが魅力的に映ります。
メタルフレームにはテクスチャーを追求したモデルも登場。ステップの表現に用いられるメタルパーツにハンマリングした意匠が加わり、複雑な凹凸と反射のあるメッキが上品かつモードな印象に。
以上、魅力的なコレクションが毎シーズン製作されているMASAHIROMARUYAMAのフレームは【Continuer|コンティニュエ】【CONTINUER NIHOMBASHI| コンティニュエ日本橋】【The PARKSIDE ROOM|ザ・パークサイド・ルーム】の各店で取扱がございます。ウェブでの掲載がない商品も多数取り揃えておりますのでぜひ店頭でご覧ください。(在庫状況は変動致しますので予めご了承ください。)
【MASAHIROMARUYAMA】ブランドページはこちら