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福井見学 Vol.2

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2015.10.14

アイウェアユーザーに限らず、ご存知の方も多いと思います。日本が誇る世界的な眼鏡の産地【福井・鯖江】。8月半ばお盆も明けの定休日を利用しContinuer、tpr両スタッフ数名で、ショップとして大事にしている「作り手の思い」を皆様にお届けできるよう、眼鏡製作の〝場〟へ向かいました。 そんな様子を前回の1日目(Vol.1)に引き続き、2日目(Vol.2)をお届けします。

 

AM9:00
2日目はYELLOWS PLUSのデザイナーである山岸稔明さんにアテンドいただき、一日工場めぐり。鯖江の車窓から。豊かな田園と昔からの建物が佇む、美しい街です。

AM10:00
まず初めに訪れたのは株式会社三工光学。福井の眼鏡産業は、パーツごとに作製する工場が決まっている、いわゆる分業制が多く見られます。その中でも三工光学は一部の工程を除いて、ほぼ全ての工程をこなす会社です。図面化、切削、溶接、磨き、など様々な部門で専任の方により、一点一点丁寧に作られています。

上の写真はなんだと思いますか?

 

これは眼鏡のパーツを機械へ固定するための器具、【治具】(じぐ)と言います。 眼鏡の各モデルのパーツごとに職人さんが一個一個作製するこの治具。治具があることで、寸分の狂いなく加工することが可能となります。逆に言えば、この治具を正確に製作することが、眼鏡の品質を高める事になるということ。日本のモノづくりの素晴らしさは、私たちは製品というカタチで知ることが出来ますが、素晴らしい製品の陰にはこういった技術があっての事です。

写真左)三工光学株式会社営業課 樋田勝さん  写真右)YELLOWS PLUS デザイナー 山岸稔明さん

 

 

AM11:30

次に訪れたのが、株式会社キッソオ。 眼鏡の材料であるアセテート生地を見させていただきました。このアセテート素材、特徴として発色が良くしなやかで、現在ほとんどのプラスチック系フレームに使われています。上の写真はイタリアにあるMAZZUCCHELLI(マツケリ)社のもの。その特徴である鮮やかな色彩に惚れ惚れします。 ちなみにこのアセテート素材、実は綿から出来ていて、洋服やたばこのフィルターにも使われており、人体にも優しい素材だそうです。

 

PM12:30
昼食は、北陸では知らない人はいない(らしい)『8番ラーメン』 全てのラーメンに野菜が盛ってあるのが特徴的。山岸さんのおススメで全員塩ラーメンをいただきました。ボリュームがありつつもあっさりとしとしていて、とても美味しかったです。北陸へ行かれた時は是非。

 

 

 

 

 

PM 1:30
午後一番に向かった先は、有限会社谷口眼鏡。アセテート生地が眼鏡になるまでの一部始終を見させていただきました。近年人気の、メタルとプラスチックが組み合わさった“コンビネーション・フレーム” メタル部とプラスチック部の結合は金属のピンにて固定されていますが、これも手作業にて一本一本丁寧に仕上げられていました。

やすりがけ用の台座。ユニークな形をしているのは、手になじむために変形させたもの。人によって形がちがうようです。

YELLOWS PLUS 2015A/Wの新作フレームがちょうど制作中。 乞うご期待。

PM 3:00
これまで、眼鏡は手作業によって一本一本作られているのを紹介してきました。使われる機械と言えばボール盤や磨きバフなど、比較的単純なものが多かったのですが、この旅の最後に見させていただいたのは、松原蝶製作株式会社の『油圧プレス機』と有限会社ヤマミネの『オート切削機』です。油圧プレスはなんと1トンもの圧力をかけ続けられる機械で、グリセリンで柔らかくしたアセテート材を型にはめてプレスすることで、立体成型が可能。オート切削機に関しては、精密に数値制御された機械で切り出すことで、デザイナーの図面通り完璧に仕上げることが出来ます。

油圧プレス機。今までは8mmのアセテート材を削って立体的な形を作っていたが、この機械を使えば5mmのアセテート材を超高圧プレスで変形させることで立体成型が可能になりました。

眼鏡のノーズパット(鼻あて)

オート切削機。写真中央の緑の台にアセテート材が乗せられています。わずか3分ほどでセルフレームのフロント部分が切削する事が出来る。人の手で切り出すとどうしてもその人の癖が出て形が少し変わってしまうそう。 個人的には、手のぬくもりが感じられるフレームも、機械が出せるシャープなフレームも両方好きですね。

Vol.1でもありましたが、眼鏡が一本出来るまで、製造工程は200~300とも言われており、使う機械こそ違えども、その工程一つ一つに対して人の手がかかっています。今回、たくさんの工場の多くの方々とお話させていただいた中で、日本のモノづくりのきめ細やかさを改めて実感。

 

デザイナーと工場の方々が一つになって作る眼鏡は、デザインと品質が見事に調和した本当に美しい眼鏡でした。同時に皆様に作り手さん達の思いを伝えるのが僕たちの役目だという事も再認識出来た事がとても良かったです。

これで一泊二日にわたる、僕たちの眼鏡を巡る旅は終わりとなります。 今回見学させていただいた工場さんで製作されている眼鏡たちはContinuer(恵比寿)、The PARKSIDE ROOM(吉祥寺)にあります。 是非店頭にて触れていただき、そのデザインと品質を体験してみて下さい。

 

1日目・2日目とお世話になった皆様方、ありがとうございました。